天命、そして伝説へ。

アラフィフのサラリーマンライター『椎間板』が、終末までに高所得者へ上り詰めるまでのプロセスについて書き綴っていくという、完全自己満ブログです。

地獄のバカンス。

書類に落ちる事、実に76社。

 


家庭にも、会社にも私の居場所は無いと悟った8月2日の朝、何となく会社に休暇を申請し、2日間フラフラした。

 


側から見れば、それなりの身分かも知れない。

 


家庭があり、家もある。

さらに勤め先は一部上場企業ときている。

 


しかし、実状を明かせば、まるで張子の虎だ。

 


だから、ダウン・バイ・ローのザックみたいに、根無草を気取って住む街を離れたかった。

 


とは言え、携帯電話は停まっているし、所持金も2,000円程度。

 


キャッシュカードは取られてしまっているから、2日間無頼で生きるとなれば、移動は徒歩、口にするものは水と数個の飴玉だけという簡素なスタイルで過ごすしかない。

 


自然と不安はなかった。

それよりも、煩わしい諸々から逃れられる喜びの方が強く、跳ねる様な足取りで歩き始めたものだ。

 

 

 

 


2日間、何処へ行って何をしていたのか?

それについてはまた別の機会に綴ろうと思う。

 

 

 

 


とにかく、目的地なんか定めずに、ひたすら気の向くまま歩き続けた。

 

 

 

 


眠くなれば公園の日陰で休み、腹が減ったら夏の暑さですっかり温くなった飲料水をがぶ飲む。  

 

 

 

まるで浮浪者だ。

 

 

 

実は2018年頃も、こんな生活をしていた。

 

 

 

仕事が終われど自宅には帰らず、勤め先のビルの屋上で寝袋生活をしていた。

 


理由は交通費がないからに他ならず、月曜日に出社して、金曜日に帰っていたものだ。無論帰りも電車は使わず、片道7時間程度かけて徒歩で帰宅していたのである。

 

 

 

妻は完全に浮気をしているのだと思っていた様だが、実際はそんな状況だったという。 

 


とは言え、その時ですら妻から電話がかかってきたことなどほぼ無かった。当時からもう夫婦関係は破綻していたという訳。

 

 

 

あれから4年程経った今でも、逃避願望は消える事なく、責任と義務の足枷を力づくで破壊して、そこから忽然と姿を眩ませた。

 


捜索願いなど出されない。

電話すらかけてこない。

自分がいない事で日常が変化する物事・人など皆無であることはわかっていたから、逃避することに躊躇いは無い。

 

 

 

川崎駅に着いてからバスに乗る。

家を出てから実に半日後の事だ。

 

 

 

向かうは陸の孤島、扇島。

 

 

 

自家用車を持っていた時は、羽田空港大井競馬場に次いで、幾度となく訪れたホット・スポットである。

 

 

 

数少ない釣り人の背中越しに汚い湾岸を見つめながら、2年振りに紙巻きタバコを吸う。

 

 

 

しかさながら、タバコの価格が所持金の4分の1を超える程に高騰していたことには驚いた。

 

 

 

とにかく久々のタバコをゆっくりと味わいながら、無我の境地を墜ちた。

 

 

 

何処で眠り、何を喰らい、どんなことをしたのかなど然程重要ではない。

 

 

 

大事なのは、その貴重な2日間で、何を思い、何を考えたのかだろう。

 

 

 

無論答えなど出なかったが、家族の為に汗水を垂らし、後の人生全てを捧げ、与える男として生きようとは思えなかった。

 

 

 

酷い親だと揶揄されるだろうが、格好をつけずに本音を言えば、家族に100%奉仕して生きたいなんて偽善的な答えなど、まあ少ないだろうと。

 

 

 

実際どうだかわからないがね。

 

 

 

兎にも角にも、私なりに今後の歩み方を考えたところで、側からみれば全く無駄な休みと言える連休が終わった。

 

 

 

金も未来も無いアラフォー中年の稚拙な愚行と笑うだろうが、マイノリティ結構。共感する輩は世界に数百人はいるだろう。

 

 

 

当たり前の毎日を特別に。

なんてつまらないハリウッド映画のコピーみたいな人生はクソ喰らえで、規律と見本のない人生こそが最上だと思えたら、環境や身分に拘らなくてもいいかなと。

 

 

 

改めて、自身のピーターパン症候群っぷりが相当酷い事に気付かされた、短くて最悪な夏休みだった。

 

 

 

へば。

 

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