天命、そして伝説へ。

アラフィフのサラリーマンライター『椎間板』が、終末までに高所得者へ上り詰めるまでのプロセスについて書き綴っていくという、完全自己満ブログです。

2024年11月14日(木)「遠くへ行きたい」

冷蔵庫内の照明灯が不意に切れる瞬間を見た時、その寿命が尽きたことを知った。


今の僕はその冷蔵庫が「果てる寸前」の状況に酷似しているのかもしれないと思っている。

 

いきなり歯が抜けたり、歩くことが困難になったり、慢性的な盲腸炎が断続的に痛み出したりと、突発的な不具合に見舞われる瞬間が増えてきた。

 

住む場所こそあれど、健康状態は浮浪者のそれと何ら変わりないものだったりするのだろう。

 

今これを書いている最中にも、下腹部の違和感が拭えない。


もう身体に支障をきたす年齢だし、何があってもおかしくないのだ。

 

勤め先から口うるさく健診へ行けと凄まれるのをスルーしているのは、何もお金がないからというだけではない。何が発覚するかわからないのが嫌なのだ。やっと上向いてきたこの状況で、全てを手放すのは本当に惜しいし、できれば固持したい。

 

ただしかし、健康体ではないのは明白なのだろう。


珍しく弱気だが、多分そんな感じなのだ。

 


※※※

 


楽しい時間は長く続かないもので、終わってしまうと瞬時に寂しさが重くのしかかる。


でも、一人でいるのは嫌いじゃないし、これから死ぬまでの間、また改めて誰かと一緒に暮らすのは不可能だろうと思っている。

 

愛犬が亡くなった時、もう一人でいたいと強く願ったことが実現してしまったという訳だ。

 

全ての負債を返し終わったら、会社を辞めて一人でゆっくり余生を生きようと思う。


目的や目標など持たず、今のように誰かに迷惑をかけることがないよう、ひたすら一人で過ごすのだ。


本を読み、映画を観て、好きなものや好きなことを謳歌して、後に果てる。

 

最高だな。

 


※※※※※※

 


今朝気がついたら、駅の近くのベンチで目が覚めた。

 

久しぶりの飲酒が効いたのか、歩いて帰る最中、急に目の前がチカチカと暗転し始め、たまらず付近のベンチに腰をかけたところまでは覚えている。

 

家に帰って不味い水道水を飲み、さて、シャワーでも浴びて仕事を始めようかと風呂場へ行くと、鏡面に映る老け込んだ我が顔面が赤みを帯び、多少腫れている。まあいいかと風呂に入ると、今度は湯が出ない。

 

やれやれ。

 

とにかく年越しまでは何としても生き続けなければならない。


這いながらしがみ付き、元の生活に戻らなければならないのである。

 

気を取り直してもう一度不味い水道水を飲み、パソコンの電源を点けてメールを確認。別段急ぎの要件がないことを知ってから、もう一度席を立つ。

 

ランダムで流しているプレイヤーから聞こえるのは、どこかで聞いたような三流パンク。


役者もやっていたような。あまりに歌詞が稚拙すぎて吐き気がする。


ダサい。ダサい。ひたすらダサい。

 

たまらずシガー・ロスに変え、耳馴染みを良くする。

 


 


日々思うのは、今日こそ何か良いことがあればいいなという一点に尽きる。

 

しかし今の僕には欲がない。


食欲も性欲も睡眠欲も、何もかもどこかに置いてきてしまったみたいに全くないのだ。

 

好きだった駄菓子にも興味が湧かず、バカみたいに遊んでいた賭け事にも唆られなくなった。


何より、女性に対する興味や欲望も何もかもだ。

 

今気になるのは、来年からの報酬額がいくらになるのかと、健康状態の詳細、そして諸々の請求ごとについてだ。

 

追われる生活から解放されたい。そう改めて思った途端、スマホが小刻みに震える。


朝っぱらから取り立てですか。

 

こんな生活を続けていれば、身体を壊すのは必然だろうし、精神だって病んでくる。

 

今、ある程度の余裕があったとしたら何がしたい?


ふと自分に問うてみたところ、出た答えはただ一つ。

 

ふらりと羽田空港へ行き、展望ロビーでしばしボーッとした後、思いつくままに適当な飛行機に乗って、どこかへ行く。そして降り立ったその町にある寂れた食堂で適当な食事をとり、お酒を一杯呑んで、また空港に戻って自宅へ帰る。

そんな小さなご褒美。


とにかくリフレッシュしたいのだろう。

 

来週からはまた仕事地獄が始まる。


ゆっくりディスプレイと睨めっこしていられるのもあと数日。

 

どこかへ行きたい。


激しくそう思う。

 

先日、某版元のコラム記事を執筆していたのだが、そのテーマとして据えたのは「富裕層の寿命について」だった。

 

なぜそのテーマを選んだのかわからない。
でも、何だかしっくりきた。

 

金持ちが相対的に長寿であることは数字を見ても明かだ。


好きなものを食らい、好きなことをする。ストレスフリーで生き続けていけるのなら、誰だって簡単に長生きできるわい。

 

それがわかった。

 

この3年間は、僕の寿命を大きく奪っていると思う。

 

嗚呼、一日でもいいからどこかへ行きたい。


地元にいると窮屈だし、いつも追われているような焦燥感が抜けない。 


電話が鳴るとビクッとするし、電気のスイッチを触る時や、水道の蛇口を捻る際の緊張感が、嫌で堪らない。

 

この時間になって思うのだが、今日は仕事を休みたい。

 

行く場所もやれることも何にもないんだけどね。
せめて歩いて羽田空港まで行ってみようかな。

徒歩で7時間。

 

嗚呼、殆嫌になるね。

 

どこかへ行きたい。それに尽きるな。

 


へば。