何て日だ。
ついそう発したのは昨日の朝だ。
亡くなった訳ではないが、この虚無感は何だろう。
山田康雄氏が亡くなり、納谷悟朗氏も亡くなった。そして井上真樹夫氏も亡くなり、増山江威子さんは引退。
クリカンはさておいて、ルパン三世第4シーズンからルパン一味は刷新された。
そう、次元大介を除いて。
ルパン三世50周年という記念すべきこの年に、まさかこれほどまでに衝撃的なニュースが待っているとは思わなかった。
カリオストロ4DX公開、そして第6シリーズ開始の喜びを噛み締めた直後のこのニュースに、仕事を早退するレベルで魂が抜けたことは言うまでもない。
小林氏は、一味の中で最も長く演じた最後のオリジナルキャストだった。つまり次元としてのキャリアも約50年。
仲間が一人ずつ一味を抜けていく様を受けつつ、さらに新シーズンで「次元だけ声がジジイ」等とディスられながらも、小林氏は次元大介を貫いた。
その生き様たるや、役を超えて次元大介が乗り移ったかの様。次元役としてではなく、次元そのもののプライドを姿勢で見せてくれた小林氏。
もう多くは語らない。
そして、寂しいけれど次元大介から小林清志以外の声が聞こえてくる現状を受け入れなければならない。
ある意味、ルパン役を引き継いだクリカンよりも重いバトンを受ける二代目・次元大介は
、恐らく相当なプレッシャーの中、パート6に臨むのだろう。
「次元から清志さん以外の声がしたら一番嫌だと思うのは僕かもしれない」そう語った二代目次元・大塚明夫氏。
自惚れるなよと思ったが、引き継ぐ覚悟と不安を語るには、その一言で充分だ。やや渋すぎる次元大介になりそうだが、期待してみようと思う。
何せ、大塚明夫氏の父親は、初代・石川五ェ門を演じた大塚周夫氏である。キャラこそ違えど、親子二代でルパン一味に名を連ねるのは、ある意味運命的だ。
悲しい現実だが、一生懸命受け入れよう。
オリジナルキャストのルパン一味に心から感謝すると共に、小林・次元50年の労を労って。
【お前がどれだけ軽い銃を使おうが知ったこっちゃ無いが、俺に言わせりゃ、ロマンに欠けるな】
映画「次元大介の墓標」で放ったこの台詞に、次元のプライドや魅力が凝縮されている気がしてならない。近年の作品ながら、見事だと思ったものだ。
小林・次元から得たものは大きい。
酒はバーボン、タバコはマールボロだけではない。
とにかく涙が止まらないので、この辺でペンを置こうと思う。やはり覚悟はできていなかった筆者であった。
最後に。
小林清志さん、50年間本当にお疲れ様でした。貴方が次元大介で良かったと、心から思います。
今日は朝まで2ndシーズンの好きな話を観ながら、一番愉快だった頃のルパン一味を堪能しよう。もちろん、152話は最後に観ようかな。
ありがとう、次元。