天命、そして伝説へ。

アラフィフのサラリーマンライター『椎間板』が、終末までに高所得者へ上り詰めるまでのプロセスについて書き綴っていくという、完全自己満ブログです。

2023年9月21日(木)「変わらないのは幸か不幸か」

憂鬱である。

 

まあそれはいつもの如くなのだけど。

 

 

今日の午前中、某金融機関から電話を貰った。

要件は「近年取引実績のない法人口座の処分について」である。

 

今から10年程前、私は中小零細企業代表取締役だった。

住設機器の施工会社と編集プロダクション、そしていつか好きな事業をやるために

立ち上げた中身のない会社の計3社を持っていた。

 

今回連絡を貰ったのは、それらの中でも最後に挙げた真っさらな会社の法人口座についてである。

 

 

※※※

 

 

やりたいことは山ほどあれど、やはり資本がなければ亀の様に蹲ってしまうもの。かくいう私も二つの会社を畳んだ後、何度も会社をやることについて考えてきた。無論、資金はないし、コネクションもまた然りだ。

 

何より、ノウハウのない事業に手を出しても上手くいかないのは当然だし、これ以上借金を増やす訳にもいかない。そんな奴が考えるのは、即金性があってライバルの少ない空想じみたあり得ないビジネスだったりするものだ。

 

無論、私もそんな都合の良いビジネスに妄想を膨らませたが、ノウハウがない以上、想像するにも限界があり、少し考えては止めて、また別の理想を張り巡らせては止めての繰り返しだったように思う。

 

紙媒体の編集・執筆上がりだった私にとって、マッチした事業と言えばやはり編集プロダクションがいいところだろう。しかし、現代に於けるメディアの中心はデジタルであり、紙媒体などというアナログ満点な存在など、既に過去の遺物でしかない。だからこそ私は10年前から活動の場をデジタルに移しているのだ。

 

ブログ? それとも広告運用? いや、それは無理だ。

何せノウハウが少ない上に、専門性の高い技術者を引っ張る程のメリットも持ち合わせていない。

 

が、そこで考えた。

 

 

※※※

 

 

某金融機関の担当者は、電話口で私にこう言った。

 

「運営していない企業であれば、解散登記をして、定款と一緒に提出いただければ口座の廃止を進めますが・・・」と。

 

 

 

ちょっと待て。

 

 

 

不意にそう思ったのだ。

 

会社を畳むのは非常に簡単なことである。

金融機関の担当が言うように、解散登記を提出すれば即刻終わる。

売上がなければ法人税も発生していない訳で、税務署に出向く必要もない。

 

しかしどうだ。

会社を立ち上げるのは、結構な労力を要してしまう。

時間はもちろん、ある程度の資金だってかかるものだ。

 

私はとにかく口座はそのままにして欲しい旨を伝え、電話を切った後に2時間程度無我の境地を彷徨った。

 

 

そろそろ動くかと。

 

 

 

※※※

 

 

 

勤め先の会社で設定されている福利厚生サービスの中で、最も秀逸しているのは、月に一本、限られたチェーンの劇場で無料で映画を観ることができるサービスに他ならない。

 

先月は精神的にLOWだったので映画どころではなかったが、最近は多少マシな状態になってきたので、映画有給を貰い、某シネマに赴いた。

 

しかし残念ながら、いつの時代もロードショー物に食指が伸びない。

 

ゴキブリ以上にハリウッド映画が嫌いな私にとって、奇跡と愛をテーマとする壮大なエゴ・ムービーなど観るに値しない。産業廃棄物のそれと同様に無価値なものとして携えている。

 

そこで選んだのはまたしてもアニメである。

 

スラムダンクジブリときて、今回は何と「シティーハンター」をチョイス。

 

理由は簡単で、風の噂でルパンと次元が登場することを知ったからに他ならない。

 

何より、シティーハンターはそこまで嫌いではない。

寧ろ、子供の頃はリアルタイムで毎週読んでいたし。

 

そんな軽い気持ちで鑑賞したのだけど、中々面白かったという感想を残しておこう。

 

所謂ヒーロー物のベタな演出には辟易とさせられたが、盛り上げ方はやはり上手で、最後は少し内臓が浮いた(つまりちょっと泣きそうになったということ)。

 

相変わらずのTMネットワークはどうかと思ったが、古参のファンにとっては欠かせない演出なのだろうと納得。

 

しかし、ルパンと次元は一瞬だったな。やはりカメオ出演止まりかいと。

 

 

 

※※※

 

 

 

スラムダンクジブリシティーハンターも、良さはやはり「変わらない」点に尽きた。ジブリについては結構批判的な意見が多いみたいだけど、私はとても良い映画だと思った。他人の作品を使って自己解釈したものなんて、盗作と変わらないなんて意見をネットで見たけど、そんなこと言ったらジブリの作品の数本は盗作に当たるだろうし、何より監督が自己解釈するから映画が生まれるのではないだろうか。

 

古き良き習慣、慣例、クセ。

 

それらを捨て、新たな表現手段を用いることこそクリエイティビティに長けた作品が生まれる要素であると考える方も多いと思うが、私はそうは思わない。

 

変わらないのは自信があるからだし、何より長く見守ってきた大衆への最大のサービスだと思う。だから私は前記した三作品は素晴らしい出来栄えだと賞賛する。

 

そして、作品だけでなく、人もそうあるべきだと思えてならない。

 

 

 

※※※

 

 

 

子供の頃、僕には友達がいなかった。

内気だったのもあるが、何より他人と価値観を共有することを恥ずかしい、情けないと思ってしまったからに他ならない。

 

だから、ドラえもんを観る度に、のび太を羨んだものだった。

 

秘密基地をこさえ、そこで同じ目的を持った仲間と楽しみ、戦い、結果を共有する。それが子供の頃、僕が持っていた最大の夢に他ならない。

 

良い仲間と良い時間を共有し、喜怒哀楽の全てを曝け出す。

 

 

解散せずに残された、私が持つ最後の会社の名前には、そんな思いが込められている。そのことを、今日になって思い出した。

 

 

やることは決まった。

その会社でそれを具現化し、短期間で及第点の結果を出せたらもう死んでもいいかな。

 

 

給与やギャラが出せるようになったら、一緒に秘密基地を作りたい仲間を呼んで、辛く険しいこの10年を笑い飛ばせたら良い。心からそう思う。

 

当面はサラリーマンをしながらプランニングしていこう。

具体化したら、またここで呟こうかな。

 

 

ねえ、今から秘密基地作らない?

アラフィフになってしまったけど、今なら友達にそう言えるかな。

 

 

 

へば。